能力
仕事の影響もあって、最近人から、お薦めの本を聞かれることが多くなった。
そして、これが楽しい。
相手の仕事がたてこんでいた後なら、脳みそがほわほわっとするエッセイ系。
東野圭吾が好きな人なら、「これも読んでみて」と、ちょっと変化球のミステリー。
知識量で絶対に勝てない人には、あえてマンガ。
相手の言葉や気持ちに対して、ワンクッション置いて自分の出方を考えられるから、心に余裕があって良い。
この仕事をしていると、素早いリアクションを求められる。
しかし、わたしと関わりのある人なら大概の方が分かっていると思うが、わたしは頭が良くない。そう、バカなのだ。
なので、気の利いたことを言ったりやったり、相手の思考回路を読み解いて、「良いカンジ」風なことを言うのが非常に苦手だ。
でも、ふと思う。
それができたら偉いのだろうか。
わたしはとっさにリアクションを取ることはできないけれど、言葉を租借して、正解を導き出そうとすることはできる。
この仕事をしていると、そんなことは無駄な、意味の無い能力のような気がするけれど、
本当は “アリ”な切り札なんじゃないか?
世の中に正解なんてない、と中村珍先生が描いていたが、
わたしはこの仕事を離れた方が良さそうだ、と、わたしの物差しが言っている。