同級生
友人の結婚パーティーに入った。
いい空間だった。
新郎と新婦の、今までのバックボーンが見えるような
温かい空気だった。
幸せをお裾分けしてもらったなぁ。
でも、みんな大人だから、
おめでたい席だから、口には出さなかったけど、
わたしは、みっちゃんとも「おめでとう」って言いたかった。
毎週木曜日の5時限目、好きな人をデートに誘う方法を一緒に考えてたよね。
話していると先生に怒られるから筆談で。
3ヶ月くらい経った、木曜日。「付き合う事になったよ」ってニカッと笑った顔を見て、わたしはその顔をそっと心に焼き付けたんだよ。
最後に会ったのは、ちょうど1年前だね。渋谷の中華風の居酒屋さん。
名古屋に転勤になったみっちゃんはちょっと疲れていたし、ビールの似合うサラリーマンになっていた。
大学生の時はわたしの方が大人な気がしていたけど、まともな職につかずヘラヘラ過ごしてきたわたしと、きちんと社会人になったみっちゃんとでは、人間としても恋愛の面でもお金の面でも雲泥の差がついてしまっていた。
この差は、人によってはもしかしたら今後の交友関係を左右するほどのものなんじゃないか、って心配したけれど、相変わらず、つかず離れず、いるのが当たり前の生活をお互いに送っていたと思う。
ずっと、みっちゃんの笑顔は変わらなかったし、これからも変わることはない。
繋がらないことが怖くてかけられない携帯番号も、わたしは当分そのままにしておくんだと思う。
みっちゃん。今日会いたかったよ。