つかもとブログ

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27歳にとっての結婚

 先日体験したことが、後の自分に影響を与えそうなので、記念にここに記しておく。ジャンルでいうと、「結婚」についてだ。

 高校の頃にバドミントン部に所属していた。部員は、同学年女子だけで18人。ここまで大人数である割に、みな付き合いは続き、卒業してからも年に1〜2回は会っていた。そのグループが、今年の頭に起きた、ある出来事がきっかけで、空中分解の様相を呈することになってしまったのである。

 事態は、集まりの中の1人が、他の部員の結婚祝いに関するLINEをまったく返さず、金銭絡みの問題に繋がってしまったことに端を発する。部の何人かでその1人に連絡を送り、やっと返ってきた返事が、「わたし結婚するから」であった。これには呆れかえってしまった。

 いや、正直に言うと、呆れかえった後にも、私の中には、今まで感じたことのなかった思いが沸き上がってなかなか消えず、自分でもモヤモヤ、よく掴めないような心情になっていた。

 まず感じたのは、「連絡くらい返せよ」であった。これは人として当たり前のことだと思うので、まあ妥当な感情ではないだろうか。

 次がきっと厄介なのだが、その後感じたことは、「悔しい」だった。これだけ周りに迷惑をかけておいて、当の本人は「結婚するんで〜」とどこ吹く風。彼女にはそんな自覚はないのだろうし、直接そんなことを言われたわけでもないが、わたしはこの返事に、「結婚祝いとか勝手にやってればいいじゃん。ま、わたしは結婚して幸せになりま〜す」という彼女の宣言を読み取った。

 これが、たとえば、「みんなでお金を出し合って、美味しいお肉を食べよう」ということであれば、1人から返信がなくても、やっときた返事に「もう食べちゃった!」と書いてあったとしても、そこまで腹を立てることはなかったと思う。「それなら早く言ってよ〜(笑)」で終わっていただろう。

 しかし、今回の件は、まったく事情が違った。この一件で、わたしは「結婚」というワードに執着している自分がいることを、初めて生々しく実感し、そして、困惑した。

 

 そして、数日後、わたしは、また結婚について触れ、考えさせられることになる。

 

 1月中旬、実家に帰省し、友人数人に会った。そこで、その場にはいなかった、ある友人の話を聞いた。その友人は顔が可愛く、学生時代モテていたように記憶している。しかし、今は恋人がおらず、結婚に対してものすごく焦っているらしいとのこと。

 わたしは、その彼女のことを好いてはいなかったので、「ふーん」程度で聞いていたのだが、つい「なんで、そんなことになったんだろうねぇ」と口走っていた。わたしは彼女に恋人ができない理由を考え始めていたのである。

 そこから、アラ探しが始まった。「あの子は、世界が狭いから」「自分の可愛さにあぐらを掻いて、努力してこなかったから」「常識がないから」。

 今振り返ると、なんて下品なことをしていたのだろうと思う。そんなアラ探しは、本人から「なんで、わたしには恋人ができないのかな?」と聞かれて初めて、本人に伝えてやればいいことである。

 結局、結婚に焦っている友人のアラを探して、自分より精神的に不自由している人がいることに、安心したかっただけじゃないのか。そう考えると、とても落ち込んだ。

 「女」を振りかざし、赤裸々、自虐を売りにしたエッセイと、何も変わらない。今、わたしの中に渦巻いている「結婚」は、実体がなく、自分から他者への評価を左右する“はかり”のようになっている。

 誰かに選ばれている女、誰にも選ばれていない女。

 この惨いジャンル分けが、おそらく、27歳女のリアルなのだ。