空き家

最近、よく新宿二丁目に出入りをしている。

事の発端は、仕事だったり、来月やる「かくし芸大会」のためだったりするのだが、
なんだか居心地がよくて、何かと理由をつけては通うようになった。

二丁目は予想以上に、自分とは異なる性嗜好を持つ人が多い。
きっとわたしでは感じられない空気があるのだけど、それはわたしの頭の上か、足元を這っていて、わたしが吸うことは一生ないのだと思う。
その“どうしようもなさ”に惹かれる。

もう１つ、わたしはここで交わされる「言葉」が好きなんだと思う。会話ではなく、単語一つひとつ。
この前、バーカウンターで、オネエサンと「最近セックスをしたのはいつか？」という話をした。
「男の人の裸を、ここ最近、ananくらいでしか見ていない」と答えたら、
「ナニ、アンタ空き家なの」
と返された。

空き家　空き家　空き家

なんて美しいんだろう、と思った。
誰も入居していない＝空き家、ということなんだろうけど、
「ヤッてない」だと下品だし、「ご無沙汰なの」だとなんかオバサンぽい。
「空き家」って的確。それに、
つかもと「わたし最近空き家なんです」
男性「そうなんだ。じゃあ入ってもいい？おじゃましまーす」
とか言われたら、条件反射で「はいどーぞー」って言ってしまいそう！

そういう口説き方もきっとアリと思う　空き家系女子入居者募集