絲山秋子という女
最近、ブログが病んでいると指摘されたので反省。
mixi日記でやればいいことをブログに書くのはあまり良くない。
(mixi、パスワード忘れたからもう見られないけど…)
ソーシャルメディアは自制心が大事。
今日は本の話を。
わたしはエンタメ小説よりも、川上弘美さんや青山七恵さん…なんかこう…新潮文庫に並んでいそうなイメージの作家さん、
もしくは、桜木紫乃さん、窪美澄さんのような少しエッチで侘しい話を書く作家さんが大好きなのですが、
絲山秋子(いとやま あきこ)という作家さんも、その系統だろうなと思い、古本屋さんで『海の仙人』を購入。
したら、大当たりだった。
150ページくらいの短いお話の中で、目から鱗が4回、涙が1回。
そして全編にわたって「救い」のある小説。
心に刺さるところだらけで、おっちらと引用もできないのだけど、
「自分が自分を救う」という一文と、登場人物たちの心とカラダの距離感が尊くて、そうあるべきだと思わされて、その正しさが気持ちいいな、と。
やっぱり人間なので、わたしも失敗するし、話を聞くとわりとみんな失敗してるし(笑)、クズだなーと思う出来事も色々あるけれど、
この小説がここに存在しているだけで、それが「救い」になっているというファンタジーと現実をまざまざと突きつけられた日曜の午後。
これを才能って呼ぶんだろうな。静かな中に凄まじいパワーだった。
追記:
絲山さんのことを調べたら、絲山先生ご自身もパワフルだった。
有名になりたい、世の中に一泡食わせてやりたい、と思っている人は読むべき。