見られている
昨日、初めて一緒にお仕事をした後輩に、
「つかもとさん、よく電車で見ますよ」
と言われて驚いた。
きっと口開けてぽかーんとしていたり、youtubeで学天即のネタを見てニヤニヤしていたり、えっちなことを考えていたり、するんだ。
そういうわたしを見ている。一方通行の視線。何も感じない自分。
知らないところで、見られている。
意識しないところで見られているってのは気恥ずかしいものだなと思っていたのだけれど、
深夜バスで帰ってきて、近所のコンビニに寄ったら、レジのお兄さんに「今日も遅いですね」と言われる。
レジのお兄さん、山口さんに見られていた。
山口さん、明るい茶髪。
きっと歳は同じくらい。
急にふぁーっと恥ずかしくなって、「見られているもんですね」とはにかんでしまった。
「夜来る人ってかぎられているから覚えるんですよ」
483円のお会計を、590円で払ってしまった。
500円で別に良かった。
見られている。
チョコレートと、甘いパンと、レッドブルを、死んだ魚のような目をして買うわたし。
見られている。
「疲れている」と思われるだろう。そうです、わたしは疲れています。
見られている。
背筋が伸びる。手を伸ばした先にある栄養ドリンクを、左に10cmずらして、ファイブミニにする。
見られている。