つかもとブログ

文章を書くことにしました。連絡先:tsukamoto.kanako@gmail.com/Twitter:@kanaco_t

『イミテーション・ゲーム』

映画『イミテーション・ゲーム』を観た。

 

簡単に言うと、

第二次世界大戦中にドイツが使っていた「エニグマ」という超難解暗号機を解読する、

イギリスの超天才数学者の話。

 

そこが大筋なんだけど、もう1つこの映画には、筋になる部分があった。

それはネタバレにも繋がるから、告知でも一切触れていなくて、観て初めて分かるのだけど、そこが切ない!

 

「人と違う」ことの生きづらさを、ドカンと突きつけられた。

世界にとっての偉業も、彼にとっては意味をもつものだったんだろうか。

天才であるが故に、絞め付けられる生。

 

良い映画でした。

良ければDVDでどうぞ。

すごいとは

最近久しぶりに、「うわーこういう人つらいなぁ」と思う人に出会ったので、記念に記しておく。

その人は、話を全部自分の方に持ってきてしまうのだけど、
何を話していても、自分と、その話題に関係ある人を引っ張り出してきて、
「私は○○さんと知り合いで~」
「私は□□の専務と飲み友達で~」
「私は△△さんと仕事したことあって~」


…これって何なんだろう。
何てリアクションしてほしいんだろう。
「すごいですね」って言われたいのかな。
でもすごいのはその人じゃなくて、実績あげてる○○さんや□□の専務や△△さんだしな。

どういう心理でそんなことを言うのかが分からなくて、私はドッと疲れた。

○○さんや□□の専務や△△さんは、自分のことなんて覚えてないかもしれないのに、

人の成功をエサに、目の前の相手の気を引こうなんて、虚しくならないのかな。

私はああいう人にはなりたくないな。

第三回塚本発表会

第三回塚本発表会終わりました。

2013年から開催して、今年で3回目の発表会。

そもそも、第二回が終わった時点では、「次はないだろうなぁ」と思っていました。

消費カロリーがね、高いので。

だけど、今年の2月に片思いしていた男性に振られて、落ち込んでいた時に思いつきました。

「コレはネタにしよう!」と。

今回サブタイトルとして付けていた「誰ガ為 黄昏 彼ノ為」は完全にその男性に捧げた言葉だったんです。気持ち悪いですね。

 

だけど、振り返ってみれば、完全にここがフラグで、今回の結末に向かっていったわけです。

この8ヵ月間、わたしの人生はすべて発表会のために進んでいた。

偶然とはいえ、怖いです。

 

皆さん、本当に塚本発表会に来てくださって有難うございました。

私が発表会を入場無料にしているのは、「別に人様に見せるようなものではないこと」をお届けしているからです。

「敷居は低く、志は高く」の精神です。

ただ、それは塚本の出し物に限っていることであって、

出て頂いているDJさんたち、演者さんたちは、入場無料だなんてこと関係なく、楽しい時間を提供してくれました。

ご協力頂いた皆さん、本当に有難うございました。

 

 

ここからは、ひとりずつ。こんな場ですが、お礼の言葉を述べたいと思います。

 

アメリカ兄妹さん

Douga wo mitara nani wo yatteirunoka zenzen yoku wakaranakatta desuga,

minna ga waratteita node yoi hataraki ga dekitandato omoi masu.

ofa- zessan bosyutyu desu.

my brother mo arigatou.

 

むっしゅ

前回の発表会でむっしゅを呼べなかったことが、わたしはとても心残りでした。

今回出てもらえて、相変わらずの格好良い選曲で、初っ端から泣きそうでした。

音出しもありがとう。

 

かーど

まさかの全編ラブライブDJ。私の友人が、かーどさんのDJでぶち上がっている4人を見て、

「すごく楽しそうだ」とニコニコしていました。楽しさの連鎖が起こっていました。

滅多に聞けないもの聞かせてもらえて嬉しかったです。ありがとう。

 

クオイッチ・シマダコフさん

数日前に、「大スベリするか大爆笑か」とおっしゃっていたので、

私は急遽、つかもとのガチな発表①を出番のあとにぶち込みました。笑

しかし、そんな心配も無用でした。替え歌もプロレス同様メジャースポーツにしていきましょう。

ありがとうございました。

 

kili

「普通のDJ」なんて自分で言っていたけれど、アレで普通だったら、

レベルが高すぎるだろ!というお話。毎年言っていますが、きりぽんのDJのファンです。

好きです。今年もありがとう。

 

星栄一さん

仕込みの関係で、当日の朝、プレゼン資料を先に拝見しましたが、

あぁもう絶対に面白いな、という安心感。

師匠に出て頂けて光栄です。早く超えていきたいと思います。ありがとうございます。

 

KeNhOさん

1ヵ月前にたまたまStereo Tokyoの現場でお会いして、

「ケンホーさん発表会出てください」、「いいよ」というノリでご出演が決まったKeNhOさん。

お会いしたのも1年振りだったのに、出てくださるその懐の深さに感激しておりました。

もちろん選曲もツボ!お声かけさせて頂けて良かったです。ありがとうございました。

 

旦那募集中

開催前にイチバン聞かれたのが、「旦那募集中って誰出るの?」でした。笑

ねこちゃん、りんこ、ありがとう。

2人が発表会やるときは、後ろで支えます!

 

A.N.P.

4年半ぶりでしたね。2人とも忙しいのにありがとう。

ずっとやりたいと思っていたから、今回叶えられて本当に嬉しいです。

前日に3人揃って練習したら、昔と何も変わってなくて笑いました。幸せです。

 

それから、今回やむなく出られなかった、プロレスDJ投げ太郎さん。

ぜひ投げ太郎さんにも聞いてもらいたい発表もあったんですよ。

東京でも、関西でも、どちらでも大丈夫なので、また面白いこと一緒にやりましょう。

オファー待ってます。笑

 

 

来てくださった皆さん。

図らずも、塚本の人生の転機を見て頂くような発表会になりました。

「旦那募集中」も先にやることが決まっていて、歌詞も決めていて、

ミャンマーから帰ってきたら、「あ、あれぇ?」という偶然の一致に気づき、

今回の構成が決まりました。

日頃から「面白い」と言われると、とても嬉しいのですが、

だんだん人生までネタに昇華できるような人生になってきました。

 

私は今年、いや去年からずっと、納豆が好きだ、ミャンマーに行きたい、と言っていました。

毎日毎日思っていました。

2月に男の子に振られました。

片思いの相手は、納豆とミャンマーだけになりました。

毎日毎日思っていました。

そうしたら、納豆とミャンマーが素敵な人を連れてきてくれました。

 

 

第三回塚本発表会、ありがとうございました。皆さんに感謝しています。

2015年10月19日  つかもとかなこ

西加奈子『サラバ!』

新宿の紀伊國屋書店に行ったら、西加奈子さんの本が溢れていた。

ご多分に漏れず私も西さんが大好きだ。

 

西さんの本は一言でいえば、愛だ。

プロレスラー・飯伏幸太は、その類い希なる身体能力から繰り広げられる、

余りにファンタスティックな技の数々をもって、

「夢の人の形をしている」と評されているが、

それで言うと西加奈子は「愛が人の形をしている」んだと思う。

 

西さんの愛は、対人間だけでなくて、対動物だったり、対社会だったりする。

どうにもならないことも、一緒に悩んで、最後には「ええねん」と言ってくれる。

そう考えると、西さんは「小説界のウルフルズ」とも言えるかもしれない。

 

西さんの著作で、前回の直木賞受賞作『サラバ!』も傑作だった。

サラバ! 上

サラバ! 上

 
サラバ! 下

サラバ! 下

 

 

簡単に言うと、主人公の成長物語なのだが、物語の佳境では主人公は30代半ば。

30代半ばなんて、もう立派な中年男性な気がするが、違う。

彼は30代半ばにして、社会と関わりを持って生きていくうえで最も大切なことを知る。

 

 

ここから自分語りになってしまうので恐縮なのだが、

私は1年365日のうち360日、「どうやったら会社を辞められるか」を考えていたことがある。

そこまで考えても、辞められなかった理由。

それははっきりしたものではなく、何となく怖かった、ということだ。

次の仕事のこととか、親への説明とか、そういうことではないのは分かっていた。

ただ漠然と怖かった。

 

しかし、今なら分かる。

私は会社の人たちから「ペケ」を付けられるのが怖かったのだ。

 

社会人になったら、自分の行動、考え、すべてに「ペケ」を付けられた。

毎日のように罵声が飛んできた。

日常的にパニックを起こし、突然涙が止まらなくなることもあった。

最初は親や友人に愚痴を言っていた。

そのうち、言うことも「ペケ」だと思って言えなくなった。

Twitterだけが気持ちを吐ける場所だった。

どこにも居場所がない。ネット上なら誰に見られても構わないと思った。

髪の毛が白髪だらけになって染髪した。追いつめられていた。

 

ペケを付けられたくない一心で、必死で人の顔色を伺った。

だけど、人の正解なんて、私には読み解くことができなかった。

さらに罵声や陰口は飛ぶようになった。

だんだん、考えることを放棄するようになった。

私は私であることを放棄し始めた。

 

そんな生活が2年ほど続いたある日、会社に向かう途中に、はたと気がついた。

 

「わたしは、猿だ。」

 

人に言われるがまま、されるがまま、

すべての悪口を受け止め、涙を流し、けれども反論はしない。

ただ、一時の気持ちよさだけを求めていた。

必死に生きる猿だった。 愕然とした。

 

その日から、私は「考える」ことを取り戻すことにした。

長い間、自分で決めることを止めていたので、何かを考えて決めるのは、ものすごく苦労した。

今でも本当に物事を考えられているのか、自信がない。

 

 

そんな時に『サラバ!』を読んだ。『サラバ!』の最終章には、こんな一節がある。

 

「自分の信じるものを人に決めさせてはいけない」

 

その一節は光になり、道になった。

そう、私が探していた他人の正解は、私に決められるものではない。

そして、私の信じるものも、他人に決められるものではなく、

他人の冷たい声で無くなってしまうようなものは、そもそも信じ続けられるものではないんだ。

何を大事にしたいのか。

優先順位をつけるのは、非情ではない。強さだ。

その決定に責任を持つ。それが強さだ。

『サラバ!』は、過去の自分との訣別。

 

「自分の信じるものを人に決めさせてはいけない」

その一節を読んで、私は泣いた。電車の中だったけれど、涙をこらえられなかった。

怪訝な顔で見る周囲の人たちに、

せめて「この本はそんなに泣けるんだ、買おう」と思ってもらえるように

『サラバ!』の下巻で顔を覆った。

  

 

上下巻であることに怯まず、読んで頂きたい1冊。

大家健はこのままストレッチジーンズを履き続けられるのかについての考察①

(以下、敬称略で進めさせて頂きます。)

 

事の発端は、マッスル坂井のこのツイート。

 

これを読んで、

「そうだよな、たしかに大家ってジーンズ履いてるよな」と思ったと同時に

私の脳裏によぎったあるニュース。

それがこちら。

headlines.yahoo.co.jp

 

記事によると、スキニージーンズで引っ越し作業を手伝っていた30代の女性が、

帰宅途中に足が麻痺して、動けなくなり、再び歩くまでに4日間かかったとのこと。

 

大家は日曜日もジーンズで戦い、KO-D無差別級のベルトを数分間ではあるが守っていた。

しかし、ジーンズで試合をすることって、普通に考えたら不利なんじゃないか。

そもそもジーンズを履いて体を激しく動かしている人物を、わたしは大家以外知らない。

 

大家はこのままストレッチジーンズを履いて、プロレスを続けられるのか。

もう38歳という年齢、ジーンズを履くことで肉体にさらに負担をかけることにはならないのか。

ジーンズを履いているせいで、勝率が下がっているということはないだろうか。

 

わたしはまだまだ大家のことを知らない。

なぜ大家がストレッチジーンズを履くようになったのか知らない。

なので、今日は1日、

「大家健はこのままジーンズを履き続けられるのか」

について考えて過ごそうと思う。

 

結論は今夜。(仕事行かなくちゃ)

プロレスキャノンボール

2014年の最高傑作はテレクラキャノンボール

 

テレクラキャノンボールはAVだ。

AV監督6人が目的地を目指して車で爆走し、到着した順にポイントが与えられるRUNステージ、

経由地とゴールで素人とセックス、その人数と内容でポイントが加算されるSEXステージ。

この2つのステージの合計得点が1番高かった者が、マスコットガール(現役AV女優)とセックスができる。

 

わたしはテレクラキャノンボールを、去年2月、渋谷の映画館で深夜3時に観た。

終電で渋谷に行き、ガストで時間が過ぎるのをひたすら待った。

AVを見るために。

阿呆である。

しかし、見終わった頃には冒頭の思い。

深夜3時に映画館で観たテレクラキャノンボールは、完璧だった。

AVを見て、100人近いお客さんと一緒にゲラゲラ笑う。

朝5時に「ヤルかヤラナイかの人生なら、俺はヤル人生を選ぶ」と突きつけられ、人生を省みる。

自分は逃げてなかっただろうか。やるべきことをきちんとやってきたのだろうか、と。

AVを大勢で見る、そして笑う、その非日常感と、

その非日常をくぐり抜けたあとに待ち受けていた禅問答のような世界。

そんなことを私はテレクラキャノンボールから受け取った。

 

 

そして、2015年2月、インディープロレス団体DDTが満を持して公開した、「劇場版 プロレスキャノンボール」である。

2月の公開にはタイミングが合わず行けなかったが、「テレキャノ」と同じように、

絶対にまた東京で公開するだろうと思い、虎視眈々と待ち構えていた。

そして6月、本当にポレポレ東中野で公開されたので、私もついにプロレスキャノンボールの観賞にこぎつけた。

 

「テレクラキャノンボール」の監督はAV界の鬼才・カンパニー松尾だが、

「プロレスキャノンボールの」監督はマッスル坂井

坂井精機という新潟にある一企業の社長、兼プロレスラーである。

彼もまた、一癖も二癖もある男だ。

彼は社長であり、プロレスラーであり、映像マン。

そして、大喜利もできる。彼の友人だというスーパーササダンゴマシンは、煽りパワーポイントで去年からブレイクした。

マッスル坂井は、いま日本人史上最高にイイ男なのだ(既婚者なのが唯一残念)。

 

 

色々と前置きが長くなってしまったが、

「プロレスキャノンボール」は、本家「テレキャノ」のRUNステージ形式は継承。

SEXステージは「プロキャノ」ではWRESTLEステージとなり、プロレスの試合をした人数そして試合内容によってポイントが加算される。

DDTおよび、DDT系列の団体「ガンバレ☆プロレス」の中から結成された4チームで競い合う。

 

ポレポレ東中野での公開は、とりあえず明日で終わってしまうので、もうとにかく見ていない人は早く観に行ってほしいのだが、

「プロキャノ」のスゴさは、「エンターテイメントとは何か」を突きつけられるところだ。

キャノンボール特有の疾走感はプロキャノに関してはほぼ皆無である。

しかし、「テレキャノ」と「プロキャノ」で大きく違うところは、

「テレキャノ」の相手は素人女子、どこまで面白く調理できるかが未知数な相手なのに対して、

プロキャノの相手は(ほとんど)プロレスラー。

相手も“面白いを作り出す”ことを考えている人間であることだ。

どうしたらワクワクする、どうしたらドキドキする、どうしたら目の前のお客さん、もしくは将来画面で見てくれる人たちが喜んでくれる?

計らずともプロキャノは、「エンターテインメントを作り上げていく」それが肝となる作りとなった。

 

初日の反省会でHARASHIMA選手が、ポイント稼ぎに走った選手に向かって、

「自分たちはいいよ、ポイント稼ぎしてれば」「俺らは面白いもの撮るから」と言うシーンがある(セリフはうろ覚え)。

そこで、プロキャノの方向性が定まる。

それはプロキャノという枠内だけの話ではなく、プロレスラーの試合に通ずるものだ。

選手が勝ったら嬉しい。選手ももちろん勝とうと試合に臨む。

しかし、勝ちがすべてではない。

笑えるか、心に残るか、それこそがプロレスの真骨頂であり、全プロレスラーが目指すところではないか。

プロレスはスポーツである前にエンターテインメントだ。

プロレスラーはアスリートである前にエンターテイナーだ。

地位も名誉もお金も関係ない。

「面白いことが正義」

「アツいことが正義」

「プロレスキャノンボール」はそんなことを感じさせてくれる、青春ロードムービーだった。

 

 

今日は雨が降って寒いから、「プロレスキャノンボール」でせめて心を滾らせるのも良いのではないだろうか。

リプライ空中化

あなたに送ったはずの返事
インターネットの海を漂う
あなたに送ったのは午後3時
気持ちがふわふわ空(くう)を漂う

140文字で気持ちを連ねる
たまには手抜きで文を打つ
それでもほしい返事がほしい
無駄だと知ってても何度も

アラーム記号を更新更新
@送信↔@待ちの連鎖
届くことのなかった@は
死ぬまで時空を飛び続ける
リプライ空中化


文字がはじける
シャボンのように
わたしの中でなかったことになる
あなたの中でも都合よく消されてる?

@って便利だね
便利だから怖いね
嫌いなの?って聞けもしない
うわべの友情 (@)記号ひとつで
疑うことすらも許されない


アラーム記号を更新更新
@送信↔@待ちの連鎖
届くことのなかった@は
死ぬまで時空を飛び続ける
リプライ空中化